朝早く起きて学校に行くのが難しい──起立性調節障害
起立性調節障害は、特に思春期の若者に多く見られる症状で、自律神経の調節がうまく働かず、朝の時間帯に体調が優れないことがよくあります。そのため、全日制高校への通学が難しくなるケースも増えています。
朝の授業に出席できないことで、「学校をサボっている」と思われるのではないかと不安を感じたり、周囲の誤解や偏見に悩んだりすることも少なくありません。
しかし、そんなあなたにとって、通信制高校は有力な選択肢のひとつかもしれません。通信制高校では、一般的に登校日数が少なく、自分のペースで学習を進めることができます。そのため、無理のないスケジュールで高校生活を送りながら、着実に卒業を目指すことが可能です。
起立性調節障害とは？
起立性調節障害は、自律神経のバランスが崩れることで生じる症状の一つです。自律神経は、私たちの意思とは無関係に働き、心拍数や血圧、消化活動、体温調節など、内臓のさまざまな機能を調整する役割を持っています。
この自律神経は、交感神経と副交感神経の二つから成り立っています。
- 交感神経 は、ストレスや緊張を感じたときに活発になり、心拍数を上げたり血圧を上昇させたりして、体を「戦うか逃げるか」の状態に備えます。
- 副交感神経 は、リラックスしているときに働き、心拍数を下げたり消化を促進したりして、体を休息モードに導きます。
しかし、過度なストレスがかかると、交感神経が過剰に活発化し、体調不良を引き起こすことがあります。これが、起立性調節障害の一因と考えられています。
起立性調節障害は思春期に多い
起立性調節障害は、比較的一般的な症状であり、特に女性は男性よりも約20％多いとされています。思春期は、学校での人間関係の悩みや、急激な身体の成長・変化に伴う心理的ストレスが多い時期です。
こうしたストレスが心身にさまざまな症状を引き起こし、克服が難しくなることがあります。また、この時期は友人関係、学業、家庭環境など、さまざまな要因が重なり合い、ストレスが増大しやすい傾向にあります。
起立性調節障害の症状と誤解
起立性調節障害の症状は、午後になると軽減することが多いものの、午前中に最も強く現れるため、学校への遅刻や欠席、朝の学習に集中できないといった状況が生じることがあります。
その結果、「怠けている」と誤解されてしまうことも少なくありません。午前中は、体がまだ完全に目覚めておらず、交感神経と副交感神経のバランスが整っていないため、特に症状が顕著になりやすいのです。
サポートの重要性
起立性調節障害は、体の調節機能に関わる問題であり、一人で簡単に改善できるものではありません。そのため、家族や学校の理解とサポートが不可欠です。症状を正しく理解し、無理をせず適切に対応することが、より良い生活への第一歩となります。
起立性調節障害と学習環境の選択：午後からの授業が理想的
起立性調節障害の特徴の一つに、午後になると症状が和らぐという点があります。これは、午前中は交感神経と副交感神経のバランスが整いにくく、体が完全に目覚めていない状態が続くためです。
しかし、午後になると体が徐々に活動モードに移行し、心拍数や血圧が安定してくることで、症状が軽減されます。そのため、1時間目の授業が午後から始まる学校は、起立性調節障害を抱える生徒にとって理想的な環境と言えるでしょう。
午後からの授業であれば、体調が整った状態で学習に集中でき、学業に対する不安やストレスを軽減することが可能です。
しかし、全日制高校では通常、午前中から授業が始まります。そのため、起立性調節障害を持つ生徒は朝の授業に出席することが難しくなり、結果として欠席や遅刻が増えてしまうことがあります。
通信制高校が選択肢になる
通信制高校の特長を活かすことで、登校の負担を軽減し、卒業の可能性を大幅に高めることができます。通信制高校は、全日制高校に比べて登校日数が少なく、自分のペースで学習を進められるというメリットがあります。
特に、授業がすべて午後から始まる通信制高校を選べば、朝の辛さを軽減し、余裕を持って学校生活を送ることが可能です。その結果、学業に対するモチベーションを維持しやすくなり、精神的な負担も軽減されます。
また、通信制高校に通えば、3年間で高校を卒業することも十分に可能です。
起立性調節障害を抱える生徒にとっての新たな道
通信制高校は、起立性調節障害を抱える生徒にとって、新たな希望の光となるでしょう。通信制高校なら、安心して学びながら、卒業への道を歩むことができます。
起立性調節障害は、すぐに症状が改善するものではありません。しかし、これが原因で不登校になったとしても、決してあきらめる必要はありません。授業が午後から始まる学校を選ぶなど、自分の生活スタイルに合った通信制高校を見つけることで、無理なく通学できるようになります。
焦らず、無理をせず、自分のペースを大切にしながら、一歩ずつ進むことが大切です。家族や学校のサポートを受けながら、自分に合った学習環境を整えることで、より良い未来を築くことができるでしょう。
☘️英風高等学校のスクーリング（授業）は全て午後から始まります。
