【誤解】通信制高校は完全オンライン?登校しなくていい?
「通信制高校は、すべてオンラインで卒業できるんでしょ?」という声をよく耳にします。しかし、それは大きな誤解です。通信制高校においても、文部科学省の学習指導要領に基づき、各教科ごとに定められた回数の対面授業(=スクーリング)への出席が必要です。
たとえば、「英語コミュニケーションⅠ」という科目で3単位を修得する場合、この科目は1単位につき4単位時間(=50分授業×4回)のスクーリングが必要となるため、合計12単位時間(12コマ)の出席が必要です。
一方、全日制高校では、1単位につき標準で35単位時間の授業が求められるため、通信制高校の登校日数が相対的にかなり少ないことがわかります。
オンラインの活用は、補助教材や動画の視聴、課題提出などに限定されており、全てのスクーリングを完全に代替することはできません。したがって、完全オンラインで高校を卒業することはできません。
【さらに多い誤解について】
「でも、うちの子の学校はそんなにスクーリングに行ってないです!」という声を耳にすることもあります。これには、文部科学省が認める「特別な事情がある場合」の出席時間数の減免措置によるものです。
具体的には、生徒の実態や心身の事情等を考慮し、特に必要と認められる場合に限って、スクーリング時間の最大10分の6(さらに特別な必要がある場合は10分の8)までを、インターネットなど多様なメディアによる学習で代替できる制度です。
ただし、これはあくまで心身等のやむを得ない事情がある場合の例外的な措置であり、原則として対面によるスクーリングが基本です。
📘 用語解説- <単位時間>
単位時間とは、授業1コマ分の時間を示す教育上の単位です。文部科学省の学習指導要領では、原則として1単位時間は50分と定められています。たとえば「4単位時間」の授業とは、50分×4回の授業に相当します。 - <スクーリング>
スクーリングとは、通信制高校における対面授業を指します。生徒が学校に登校し、教員の指導を直接受けることで、学習内容の定着や理解度の確認を図ります。通信制高校では、卒業に必要な単位ごとに、最低限出席すべきスクーリング時間が定められています。
▶ 英風高等学校では?
すべてのスクーリングは午後から行われ、起立性調節障害などで朝が苦手な生徒でも無理なく登校できます。登校日は原則として週2日ですが、スクーリングがない日でも自習室や図書室を利用するために、平日は自由に登校することが可能です。