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通信制高校とは?学習の仕組みと単位修得の流れを詳しく解説!

通信制高校とは

「通信制高校とは何か?」と疑問に思う人は少なくありません。通信制高校では、決められた登校日数と自宅学習を組み合わせ、レポートの提出などを通じて卒業に必要な単位を修得します。本記事では、通信制高校の特徴や学習の仕組みについて詳しく解説します。

通信制高校の登校日数は?

通信制高校でも、一定の登校日数が必要であり、スクーリング(授業)を受けなければ卒業できません。スクーリングは、通常の教室で行われ、教師が直接指導を行います。ただし、全日制高校とは異なり、毎日登校する必要はなく、週に1〜5日や年間数日程度の登校で卒業できる学校もあります。

このため、生徒は自分のペースで学習を進めることができ、特に学習状況や体調などの理由で毎日通学が難しい人にとっては大きなメリットとなります。一部の通信制高校では、全日制のように毎日登校するコースを提供している場合もありますが、一般的には自宅での自学自習が主な学習方法です。この自学自習を通じて、生徒は自主的に学びを進めることが求められます。

さらに、通信制高校には「広域通信制」と「狭域通信制」の2つのタイプがあります。

  • 広域通信制高校:3つ以上の都道府県から生徒を受け入れる学校
  • 狭域通信制高校:本校がある都道府県と隣接する1つの都道府県から生徒を受け入れる学校

進学を検討する際には、各学校の特徴を理解し、自分に合った環境を選ぶことが大切です。

グラフ増加

通信制高校の学校数・生徒数は?

学校基本調査(令和6年度)によると、令和元年に253校だった通信制高校は、令和6年には303校に増加しました。そのうち私立の通信制高校は224校を占めています。

通信制高校の生徒数を見ると、令和元年には197,696人でしたが、令和6年には290,087人に増加しました。これは、全国の高校生の約11人に1人が通信制高校に通っている計算となり、通信制高校の人気が高まっていることを示しています。

📍通信制高校の認知度と進学者の増加

通信制高校は、以前よりも広く認知されるようになり、中学卒業後すぐに進学する生徒が増えています。近年では、通信制高校の新入生の大半が中学卒業後に進学した生徒であり、進学先の選択肢として定着しつつあります。

また、高校在学中の転入生も年々増加しており、通信制高校の柔軟な学習環境が多くの生徒に支持されていることがわかります。このように、通信制高校は多様なニーズに対応する教育機関として、ますます注目を集めています。

選択

通信制高校を選ぶ理由とは?

通信制高校を選ぶ理由はさまざまですが、特に以下のようなケースが多く見られます。

📍全日制高校の出席に不安を感じる

全日制高校では、毎日決まった時間に登校する必要があり、朝の通学が大きな負担になることがあります。特に、朝が苦手な生徒や、通学に長時間を要する生徒にとって、毎日の通学がストレスとなる場合があります。

また、常に大人数のクラスでの授業が苦手な生徒にとっては、少人数での学習や自宅での学習が可能な通信制高校が魅力的に映ることもあります。こうした理由から、自分のペースで学習を進められる環境を求める生徒が通信制高校を選ぶことが増えています。

📍健康上の理由

健康上の理由で毎日の通学が難しい生徒も、通信制高校を選ぶことがあります。例えば、起立性調節障害や精神的なストレスを抱える生徒にとって、決まった時間に学校へ通うことは大きな負担となることがあります。

通信制高校では、登校日数が少なく、自宅学習が中心となるため、体調に合わせて学習を進めることが可能です。柔軟な学習環境により、無理なく学習を続けながら、健康状態を考慮した生活を送ることができる点が大きなメリットです。

📍自己実現のため

自己実現を目指す生徒にとっても、通信制高校は魅力的な選択肢となります例えば、スポーツや芸術、音楽などの分野で活躍したい生徒にとっては、登校日数が少ないため、特定の分野に集中して取り組むことができます

また、資格取得や専門的な勉強に専念したい生徒にとっても、通信制高校のカリキュラムは適しており、自分の目標に向かって効率的に学習を進めることが可能です。

学習方法

通信制高校の学習方法は?

全日制高校や定時制高校では、平日の日中や夜間に学校へ通い、教室での一斉授業を通じて学びます。一方、通信制高校では、登校日数が少ないため、自宅学習が中心となります。それでは、通信制高校の具体的な学習方法を見ていきましょう。

📍スクーリング(面接指導)への出席

通信制高校における授業形式はスクーリング(面接指導)と呼ばれます。この「面接」という言葉は、一般的に受験や就職活動での面接を連想させるかもしれませんが、ここではそのような意味ではなく、全日制高校のように教室で教師が直接授業を行う形式を指しています。

また、先生に直接質問できる貴重な時間でもあるため、疑問点がある場合は積極的に活用しましょう。スクーリングは、通信制高校において単位を修得するための重要なプロセスのひとつです。

<スクーリングの受講場所と注意点>

ただし、スクーリングはどこでも自由に受けられるわけではありません。基本的には、学校が認可を受けた都道府県にある本校で受講する必要があります

そのため、通信制高校を選ぶ際には、学校がどの都道府県で認可を受けているのか、またスクーリングをどこで受ける必要があるのかを事前に確認することが重要です。この確認を怠ると、思った以上に通学の負担が大きくなる可能性があるため、事前にしっかりと調べておきましょう。

また、学校によっては、宿泊が必要になる場合もあるため、交通費や宿泊費の有無についても確認しておくことをおすすめします。

<スクーリングの時間割>

スクーリングは、全日制高校のように1日のすべての時間が授業で埋まっているわけではなく、履修している科目に応じて受講する時間数が異なります。例えば、朝が苦手な生徒に配慮し、すべてのスクーリングを午後から開始する学校もあります

このような柔軟なカリキュラムを採用することで、生徒は自分の生活リズムに合わせて学習を進めることができ、より快適な学習環境を整えることができます。

<スクーリングの回数>

スクーリングの回数は、各教科の単位数によって決まります。例えば、「国語」で3単位を修得する場合、1単位あたり1回のスクーリング出席が必要とされるため、合計で3回のスクーリングに出席する必要があります。

このように、スクーリングは単位取得において重要な役割を果たしており、計画的に出席することが求められます。スクーリングを通じて、教科書で学んだ内容を実際の授業で確認し、理解を深めることができます。

📍レポート(添削指導)の提出

通信制高校における添削指導は、一般的に「レポート」と呼ばれています。生徒は主に自宅や学校でレポート課題に取り組み、学習内容の定着を図ります

レポートは一見難しく感じるかもしれませんが、実際には学校から出される宿題のようなものであり、スクーリングや教科書、インターネットの動画などを活用して学んだ内容に基づく問題に解答する形式です。レポートは、単なる課題提出ではなく、自分の理解度を確認するための小テストのような役割を果たします。

<レポートの作成と提出方法>

レポートの作成過程では、学んだ知識を整理し、確実に定着させることが求められます。解答が終わったら、レポートを学校に提出します。提出方法には学校によって「紙で郵送する方法」と「オンライン提出」の2つの方法があります。

紙で郵送する方法

紙のレポートを作成し、郵送で学校に提出します。ただし、この方法では郵送の手間や時間がかかるため、余裕を持った提出が必要となります。

オンライン提出

最近では、タブレットなどを活用し、解答したレポートをオンラインで直接送信できるシステムを導入している学校も増えています。オンライン提出のメリットは以下のとおりです。

◯時間や場所を選ばずに提出できるため、学習の自由度が高まる
◯郵送の手間が省けるため、締め切り直前でもすぐに提出可能
◯進捗管理がしやすく、提出状況をリアルタイムで確認できる

このように、オンライン提出は生徒にとって利便性が高く、学習効率を向上させる手段となっています。

<レポートの提出枚数>

レポートの提出枚数は、スクーリングと同様に、履修する単位数によって決まります。例えば、「国語」で3単位を修得する場合、1単位あたり3枚のレポート提出が必要とされるため、合計9枚のレポートを提出することになります。レポートの提出は、締め切り間近になって一気に行うのではなく、日頃から少しずつ進めていくことが重要です。

📍テスト(単位認定試験)を受ける

各教科で必要なスクーリングへの出席とレポートの提出が完了すると、最後に単位認定試験(テスト)が実施されます。この試験は、全日制高校の定期試験と同様の形式で行われるため、全日制高校の試験を知っている人にとっては理解しやすいでしょう。

試験の内容は、教科書の学習範囲やオンライン講座で学んだ知識を基に出題されるため、しっかりと準備をしていれば、合格するのはそれほど難しくありません。

「単位認定試験」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、日々の学習を継続し、レポートを提出し、スクーリングにしっかり出席していれば、特に心配する必要はありません。さらに、万が一試験に不合格となった場合でも、多くの学校では追試験が実施されるため、再度挑戦することが可能です。

卒業

通信制高校を卒業するための条件

以上のように、通信制高校では、スクーリング・レポート・テストを通じて単位を取得します。これらのプロセスを通じて、学習内容をよく理解し、必要な知識を身につけることが求められます。しかし、単位を好きなだけ取得すればよいというわけではなく、卒業には以下の条件を満たす必要があります。

📍74単位以上の取得(必履修科目を含む)

卒業には74単位以上の修得が必要です。この単位数には、必修科目も含まれており、各科目で定められた単位を確実に修得することが求められます。

📍3年以上の在籍

通信制高校では、通常 学年制ではなく単位制が採用されているため、「留年」という概念がなく、4年以上かけて卒業することも可能です。 ただし、在籍期間に上限が設けられている学校もあるため、事前に確認しておくことが重要です。とはいえ、可能な限り3年間で卒業できるよう、適切な学習計画を立てることが大切です。

📍30単位時間以上の特別活動への参加

「30単位時間以上の特別活動」は、全日制高校におけるホームルームや修学旅行などの学校行事に相当します。この「30単位時間」とは、1年間で30単位時間を参加するのではなく、卒業までに累積で達成する必要があることを意味します。

通信制高校の場合、登校日数が少ないため、各学校ごとに特色のある特別活動を実施しています。 そのため、生徒は自分の興味や関心に応じた活動に参加し、より充実した学校生活を送ることができます。

単位時間とは?
1単位時間とは、1回の授業(50分)を指します。したがって、30単位時間とは、50分の授業が30回あることを意味します。30時間というと60分が30回になってしまうため、「単位時間」という表現を用いています。

まとめ

以上が通信制高校を卒業するための基本的な条件ですが、不明な点があれば、学校見学や個別相談会に参加し、担当者に質問することをおすすめします。

学校見学では、実際の授業風景や施設を確認できます。
個別相談では、具体的な疑問や不安を解消できます。

こうした機会を積極的に活用し、後悔のない通信制高校選びをしましょう。

英風高等学校 公式サイト

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